1 瞳の中の青空

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「っ……待ってて。今助ける!」  私は急いで銃を拾い、ダークフェンリルに向けて発砲した。銃弾が当たると、炎が弾けてダークフェンリルの脇腹が焼ける。でも……。  グルルルル!  ダークフェンリルは怯まない。それどころか、狙いを私に変えて、こちらに迫ってくる。止めなきゃ。止めなきゃいけない。なのに……怖くて体が動かない……!  狼の牙が迫り、死を覚悟したその時。 「『フレイム』」  涼し気な男の人の声と共に、ダークフェンリルが激しい炎に包まれる。私が撃った弾とは、比べ物にならないくらい、強い炎だった。ダークフェンリルは暫く悶え苦しんでいたが、やがてピクリとも動かなくなった。  炎の向こう側に、宝石みたいに輝く金髪の男の人が立っている。 cb97d021-a848-4a01-8c41-1c19838d005e 「ライガ先輩……!」  ライガと呼ばれた男の人は、静かに男の子に歩み寄り、手を差し伸べた。 「怪我は無いか?」 「はっ……はい!」  男の子は立ち上がると、すぐに私の所へ駆け寄ってきた。 「大丈夫だった!?君、俺のこと助けて、危ない目に遭って……怖かったよな?ごめん!」  男の子が頭を下げる。それを見た私は、慌てて首を横に振った。 「助けなきゃって思ったのは私だし……大丈夫」 「で、でも……」 「君は、私を助けようとしてくれた……だから、こちらこそごめん」  私達がお互いを庇いあっていると、ライガさんが私に近寄ってきた。 「君は誰だ?ガーデン生ではないな?」
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