14、やはり良い先生

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学校に着くなり、楓は真っ先に職員室へ向かった。 昨日の件で担任の中岡にお礼を言う為だった。 「おはようございます、中岡先生」 「ああ、藤咲か」 「昨日はありがとうございました」 「いや、礼には及ばない。それより、もう大丈夫なのか?」 「はい。お陰様で」 「そうか。まあ、くれぐれも無理をしないように」 「はい」 「ところで、今日は補習は出られそうか?」 「はい。お願いします」 「そうか。分かった」 中岡は至って普段通りの対応だった。 気難しい顔のまま、淡々と必要なやり取りのみ交わす。 無関心というわけではないのだろうが、彼なりの気遣いだと思えた。 昨夜の件で何か聞かれると思っていた楓にとって、それはありがたいものだった
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