33、愛情ゆえの気掛かり①

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33、愛情ゆえの気掛かり①

午後6時。 天津風高等学校の体育館にて、緊急の保護者説明会が開かれた。 内容は、教諭の中岡が起こした事件の概要について。 学校関係者から逮捕者が出たことで、保護者たちは騒然としていた。 と言うより、色めきだっているように、康介の目には映った。 事前に学校側に掛け合って、楓が受けた被害については触れない約束になっている。 それが守られるかどうかを確認する為に、康介は説明会に参加した。 そして、約束は守られた。 参加者たちは、事件や中岡のことについて有る事無い事噂していた。 しかし、その噂の中に楓の話題は含まれていないようだった。 (良かった。これで、あらぬ方向から楓が傷付けられずに済む) ほっと胸を撫で下ろして、康介は説明会場を後にした。 そうして午後8時過ぎ。 相変わらずの雨の中、康介は再び自宅に帰り着いた。
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