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39、夢
「ねえ、お母さん」
「なあに、楓」
「コウスケさんって、ボクの“お父さん”になるの?」
「さあ……どうかしらね」
「ならないの?」
「分からないわね。先のことは」
「コウスケさんのこと、好きじゃないの?」
「好きよ。良い人だと思う。でもね、愛しているのは違う人なの」
「??」
「楓には、まだ分からないわね」
「ボク、ずっとコウスケさんと一緒に居たい」
「そう? ……大好きなのね、康介さんのことが」
「うん。好き」
「ふふ」
母の手で頭を撫でられる。
優しくて暖かくて、懐かしい。
幼い頃の、幸せだった頃の記憶。
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