48、(終)そして……

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星の輝く夜空の下、足元に残る雪を避けながら康介は帰路につく。 マンションの8階にある自宅のインターホンを鳴らすと、エプロン姿の楓が出迎えてくれた。 「お帰りなさい」 「ただいま」 心温まる笑顔を浮かべる楓の左手に、白銀の指輪がキラリと光る。 愛しさが込み上げてきて、康介も微笑みを返した。 「いい匂いだな。今日の晩ご飯は何だろう」 「ビーフシチュー。康介さん、好きでしょ?」 「ああ。そいつは楽しみだ」 頷いて笑う。そして楓の腰に手を回してリビングへ赴いた。 扉の向こうには温かい食卓が待っているのだろう。 康介は幸せを噛み締める。 血の繋がらない親子の関係を超えて結ばれた二人。 康介と楓の生活は、基本的には今までとそんなには変わらない。 しかし、初めて唇を重ねた日以来、二人の間には明らかに甘い空気が流れるようになった。 指輪を交換してからは、更なる強い愛情が加わった。 外の世界には絶対に出せない秘密の関係だが、二人は確かに幸せだった。 これからもずっと、この幸せを守り続ける。 ずっと愛し続ける。 誓いを込めた指輪は、静かに美しく輝くのだった。 (終)
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