麒麟の鳴き声

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絹枝の目の前に立ってそう言うと、絹枝はすぐにバカにしたように笑ってきた。 「社交辞令って言葉を知らないの?長峰。 それか詐欺って言葉も。」 そう、言われた・・・。 絹枝から、そう言われた・・・。 続く言葉があったのに・・・。 この次に続く言葉があったのに・・・。 これではダメだったらしい。 これだけでは違ったらしい。 立たせて貰えない・・・。 1人の男として立たせても貰えない・・・。 その女の子とのお喋りで疲れきっていた頭と身体。 覚悟を決めた時はあんなにも力が漲ってきたのに、今は何の力も残っていない。 そんな状態でバカにした顔を続ける絹枝を見詰めていたら、絹枝が顔をしかめながら口を開いた。 「長峰って、本当にブッサイクな顔!!!」
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