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まして会社の花形部門では無い経理の契約社員なんて正社員様に相手にされることもなく、誘われた飲み会は数えれるぐらい
ジュニアである従兄弟の蓮也も私だけは絶対誘わないようにしている
彼もこの会社の跡取りとして、未来の自分の片腕となる人を探しているらしいけどその飲み会で私がいたら分が悪いみたい
お互い仲が良いからボロを出しそうだしね
だから会社内では誰にも怪しまれないで、普通の契約社員として日々過ごしている
「篠原さん、今度一緒に飲みに行かない?」
珍しく声をかけてきたのは営業部の久保大輔。最近、なぜかよく声をかけてくれる
「えっ・・・」
一応、困った振りはしてみる
「彼氏いないって聞いたけど」
「誰がそんな事を言ったのですか?」
「市川さんが・・・」
ホントあの女、おしゃべりなんだから
「それは前の話で、今はいます」
「そうだったんだ。ゴメン。このことは忘れて」
分が悪く、速攻で撤収する彼の後ろ姿を眺めながら、我ながら大見えをはってしまった
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