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尚弘は扉を閉めた。
目の前にはネズミ色の無機質な扉だけに。
嫌な静けさが…部屋に残った。
あなたは彼女の元へ行くんでしょうね。
私よりも可愛くて若い誰かさんの元へ。
でも…どうしてやろうか…。
自分の肺の音が聞こえるくらいに静かな部屋でこれからのことを考えていた。
目を閉じると、光がぼんやりと瞼を越えてくるのが嫌だった。
尚弘のスマホの光のような、
左の薬指に付けられた指輪の光が目を指すような感覚がしたから。
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