スミスくん

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それを聞いていたスミスくんが、俯いた。 「……ソウデスカ……」 そう呟くように言うと、ぼそぼそと続けた。 「アノ……ホンハ、ジブンデ、カリニイキマス……」 スミスくんは、肩を落として、図書室を出て行った。 「やだあ! 由美子、スミスくんは由美子のことが好きだったのよ!」 静香が、あたしの肩を叩きながら言った。 「ええっ?」 あたしは驚いた。 「まあ、由美子のタイプとはほど遠いけどね。同じイギリス人でも」 そう言って、静香は笑った。
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