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桜愛は平日のみラジオパーソナリティの仕事をしていた。明日の土曜日は、高校の同窓会に初めて参加する事になってしまった。
いつもは仕事だったり、大人数のイベント事はめんどくさい気持ちが沸きだち不参加だった。
それは数ヶ月前にさかのぼる。
実家へ帰省中母に見合いを勧められた。
「桜愛ももう40になるんだから、いいかげん結婚しないの?子供ほしくないの?相手はいる?」
両親というのは、早く結婚したいと報告すれば、きっと早いと文句をつけ、30もすぎれば、今度は遅いと結婚相手まで見つけてきて、子供の恋愛まで口を出す。
心配からきている事だとは理解しているが、桜愛は心のどこかでもう結婚を諦めていた。
確かに若い頃は結婚したかった。美人だった桜愛は彼氏がとぎれなかったが、結婚までは考えられなかった。
そして年を重ねる事にトキメキも無くなり、段々1人が楽になっていた。
桜愛は顔を顰め母が納得する返答を考えていた。
「相手いないなら、お見合いどう?」
母は薄く微笑み、桜愛の返答を待たずに、相手の写真を見せてきた。
桜愛はギョッとしたが興味がわき、母の手にある写真を覗いた。
真面目そうなスーツを着た普通の40代の男だった。
「この人何歳?なんかおじさんじゃない?」
「は?40歳だから貴方とそう変わらないでしょ?貴方もおばさんじゃないの。真面目そうだしいいじゃない。会うだけあってみて」
桜愛は母を睨み返した。
テーブルに置いてあった同窓会のお知らせのハガキを掴み、見える様に母に突き出す。
「無理!タイプじゃない!しかもその日は、同窓会のお知らせきたから無理!」
「いつも行かないじゃない!」
「だから行くの!行った事ないから!」
母も桜愛の見合いの反応に不服で、小言を言うが桜愛は聞き入れず、呆れながら部屋を出ていった。
桜愛は見合いが嫌で、行く予定になかった同窓会に行く事になってしまった。
20年ぶりに見る同級生には興味もあるが、逆に自分も見られるという恐怖も生まれ緊張していた。
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