ジュンがいない

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ジュンがいない

考えれば考えるほど分からなくなる、3人集まってジュンの事を考えていた。 俺たちはだれもジュンを独占したいと思っていなかった、好きな気持ちを共有する事で満足していた。 俺達三人は他の人には理解できない友情や信頼で繋がっていた。 ジュンの存在があっても、それが崩れる事はなく、むしろジュンを共有する事で更に強まった。 そんなある日いつものように学食でショウと浜崎も交えて食事をしていた、いつもならジュンも来るはずなのにその日ジュンは来なかった。 何の連絡もなかった、何度かメールを送ったが返信は無く電話にも出なかった。 昨日ランチをした時は普通だった、特に変わった様子もなかったのに・・・・・具合でも悪いのかもしれないと思った。 授業が終わって3人でジュンのマンションへ行ってみた、住所は聞いていたが来るのは始めてだった。 何度かチャイムを押したが誰も出てこなかった・・・・・ それから毎日のようにマンションを尋ねた。 一月の間何の連絡もなく、何度行っても誰もいなかった。 送ったメールは既読にならず、電話も着信音が鳴るだけだった。 ジュンの行方も状況も分からず、ただひたすらジュンからの連絡を待った。 ショウのマンションに集まると、自然と話題はジュンの事になる。 俺たち4人の行為はまだ2人には話していない・・・・だが今こうなってみて隠しておくことはできなかった。 ショウと浜崎に俺たち4人の関係を話した、決してジュンを不愉快にさせる気も3人で無理やり行為に及んでもいないと話した。 ショウも浜崎も俺たちの話を信じてくれた、むしろ俺達3人が誰かを好きになったことを喜んでくれていた。 ジュンが俺たちの前から消えた訳を知りたかった。 ショウは先生にジュンの事を調べてもらう事にし、片峰はお父さんに頼んで母親の連絡先を調べてもらう事にした。 母親の名前はわからないが苗字は「橘」でアメリカに長くいて1年前に帰国した女性だと言うことは分かっている。 父親からの知らせで母親の連絡先が分かった。 名前は[橘 詩音]といい、現在は本社でwebエンジニアとして働いていた。 すぐに母親に連絡をとった。 僕達は焦っていた、不安が膨らみ嫌な予感が頭を掠めた。 「お仕事中申し訳ありません、私はジュン君の友達なんですが、学校へきてなかったので心配になってお電話しました。」 「淳一は入院しました。」 「入院?どこが悪いんですか?」 「淳一は・・・・・重い病気です。おそらくもう助かりません」 「・・・・・待ってください、よかったら今日仕事が終わったら逢っていただけませんか?」 「わかりました、仕事が終わったらお電話します」 「はいお待ちしています」 これ以上電話で聞ける話ではないと思った。 ジュンはもう助かりませんと言った母親の言葉が頭の中で何度も繰り返し聞こえた。 ショウも浜崎もそして俺達3人も何も言わなかった。 俺たちは5人でジュンのお母さんに逢った。 助からないと母親が言う病・・・・・ それほどの病が思い当たらなかった・・・・元気そうなジュンの姿を思い出す。 もう助からない・・・・・母親から聞く言葉だとは思えなかった。 信じられなかった・・・・・逢いたかった、皆がそう思っていた。
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