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 翌日の事。泣き疲れて目元が真っ赤になっていた唯は、何が一番ショックだったかと言えば、あまりにも目元が腫れあがっていて、このままではとてもじゃないが学校に行けないと感じたことだった。  必死になって顔を洗い、目元の腫れを落ち着けるため、水でしばらく顔を冷やし。バタバタと朝食を食べてから、いつもの化粧水と薄化粧を施し、オシャレに見えるようにスカートの丈に気を配り、もう一度化粧鏡で自分の顔をチェックし。気になるところは厚めに化粧を塗りつけ、これなら大丈夫だろう、と言うことで髪をセットし、学校へとやって来ていた。 「唯? 大丈夫……?」 「ん? 何が?」 「いや、ほら、いきなり真由美が唯の彼氏と付き合ってるとか言い出すからさ」  同じ吹奏楽部の学友に心配されるものの、何故か昨日までの記憶が遠いものであったかのように感じていた唯は、その言葉を他人事のように受け入れていた。  勇作は別のクラスである。吹奏楽部の別の友達が、興味半分、心配半分で声をかけてきた。内容を聞いた唯だったが、心の動揺はそこまで大きくなかった。 「んー? なんか付き合ってた実感があんまり残ってないんだよね」 「……え? 唯? 大丈夫? 昨日まであんなに惚気話をしてたのに!」 「そうだっけ? うん。でも大丈夫だよ?。なんか心配かけたみたいでごめんね」 「唯が大丈夫ならいいんだけど……」  問われて思い出してみるが、勇作との記憶がかなりうすぼんやりとしていたのは感じていた。だが、ただ昨日沢山泣いたから、自分の中でそれなりに整理がついたんじゃないかと。友達には言わずとも、唯はそう考えていた。
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