7話ホーンベア

1/1

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

7話ホーンベア

スズさんと別れたあと私たちの目の前にホーンベアが現れた。 「エンリ、勝てるの?」 「うん、大丈夫。私、元Cランクだし。」 これなら普通に倒せる。 「あれ?ホーンベアってBランクの魔物だったような気が?」 なんか朔が言ってるけど聞き取れ無い。せっかく刀ゲットしたし、あれ試すか。 「クスノキ流(いん)の型(みずのと) 牙」 ホーンベアの頭を切り落とす。久しぶりに陰の型使ったけどしっかりできてるな。 「グァー!」 断末魔の叫びをあげ倒れた。後ろを振り返ると 「えっ?なんで刀で首切り落としてるの?普通は刀って斬りつけるもののはずなんだけど。それにエンリって水属性だったの?前mu…」 朔が信じられないという顔をして質問してきた。 「ちょい待て。質問多い。」 えーとまさか質問されるとは思ってなかった。どう答えようか。 「朔、私は前言った通り無属性だよ。」 「どういうこと?さっき刀に水属性の付与してたよね?」 「あー、それか。気闘の一種。」 「キトウ?」 「気闘っていうのは魔力と違った目に見えない力で、それを気っていうらしいんだけどその力で闘う(すべ)のこと。さっき私が使っていたのはクスノキ流っていう武術で、気闘を使うことによって擬似的に属性付与ができるんだ。クスノキ流は気闘を使うには一番相性がいい武術だから。」 「へぇ〜。じゃなくてホーンベアってBランクの魔獣だよね?なんで簡単に倒してるの?!」 「えっ?ホーンベアってCランクじゃないの?」 「エンリ、エンリは一回世の中の一般常識学んだ方がいいよ。」 うぐっ。地味に傷付く。けどギルドの人がそう言ってだんだけどな。朔が詳しいのなんでだろう?そう思いながらホーンベアを解体しているとふと気になったことがあった。 「ねぇ、朔。」 「ん?」 「朔って肉食べられるの?」 「無理。まずうさぎは草食だし。兎獣族とはまた別。兎獣族より、雪兎族の方が分類的には近い。」 本当(マジ)か。ホーンベアの肉美味しいんだけど、残念だな。それにしてもこの刀切れ味いいな。ダンジョンに眠っていた武器とは思えない。あのデカさならあと2回ぐらい切らなきゃ無理だと思ってたんだけど。 「エンリ、エンリってば」 考え事してて気づかなかった。 「えっと何かな?」 「この場で解体したのは良いけどどうするの?この量?」 「もう一つのカバンに入れる。」 「へっ?まさか!まさかとは思うけどマジックバッグ持ってるとか言わないよね?」 「だからそれに入れるんだよ。」 元からそのつもりだったんだけど。 「おかしいってば!なんでそんな高級品持ってるの?故郷でもあったら何億セント値段が付く代物だよ。」 「どうしてって師匠に旅立ち祝いに送ってもらったやつなんだけど。」 「ダメだ。ワタシの常識が通用しない。エンリもエンリだけどエンリの師匠も規格外だった。」 朔ひどくない? 「これはエンリがおかしい!」 心外だ!
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加