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告白
プロポーズされてから1週間たった水曜日。彩と和也は18時に、和也の勤め先の最寄り駅で待ち合わせした。今日はホテルではなくカフェで話そうと提案し、彼は快諾してくれていた。
今日が和也との別れの日になるかもしれない。沈んだ気持ちにフタをして、彩は待ち合わせ場所に向かった。
カフェで席に着く。
運ばれてきたコーヒーを一口飲むと、彩は切り出した。
「…ごめんなさい。私、あなたにウソをついていたの」
すると和也は頷き、意外な返答をした。
「僕も謝らないといけないことがある。実は…君の財布の中の免許証を見たんだ」
彩は息を飲む。和也は一息つくようにコーヒーを口にする。
「本当の年齢を知ってるよ。それに、住所も」
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