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「年上だろうとは思ったけど、6歳も上と知ったときは、びっくりした。何しろ1歳下のつもりで話していたから。彩は外見が若いから得だよね」
彩は自分の詰めの甘さがただ、恥ずかしかった。
「…嘘をつくなら設定までしっかり作っておかなきゃいけなかったよね…」
そう言うと和也は
「嘘が中途半端になるところが、君らしくて好きだ」
少し笑うと続けた。
「それと、もう一つ、隠していることがあるよね?」
主に彩の忙しさを理由に、お互いの家を行き来したことのない二人であった。
和也は彩に何度か休日のデートを持ちかけたことがあるものの数回にわたり断られ、それから誘うのをやめたのだが
「君が結婚しているんじゃないかっていう疑惑が晴れなくて。免許証の住所を見て、自宅を訪ねた」
「…それで…?」
「公園で君と小学生くらいの男の子をみかけたよ」
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