ルァイドンニューウェーヴ

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苫実の機嫌を取らなければ、これ以上の進展はない。毛根達哉と言う男を知らぬ侭に死ねようか?「達哉は生きてるだろうか?この瓦礫を片せば戻って来ると信じてるんやけどな。中々気が乗らん。」熊谷さんは嘆いていた。あの巨漢の熊谷さんが梃子摺る程のスタンス。毛根達哉と言う男は私には掛け替えなかった。「達哉が自力で戻って来れば百人力ですよね。はぁ…。アンペアはあるのに…。」私は渋々瓦礫を片していた。「俺が居れば百人力だろ?達哉の必要性、最たる需要を然と見い出せ!空輝っ!達哉は自力で戻って来るっ!」熊谷さんは力(りき)が入り、瓦礫を粉砕した。「それっ!粉状にして、ない無しにしましょうよ!」私は即座に熊谷さんに問うた。「あっははっ!皆が出来るなら、ない無しにしよう。空輝も可愛いな。」ニコニコしながら、熊谷さんは瓦礫の小さいやつを拾い、運び始めたのだった。
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