ルァイドンニューウェーヴ

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宗教、信仰。つまりは信用と言う熟語か。信用していた人間の高なり底を知ると、宗教や信仰を知りたくなるものだ。「おまっ!タコさんウインナーだろうが?他俺が好きそうなおかずあるか?あっははっ!食いやがった…。」熊谷さんは殊の外あっさりとタコさんウインナーを諦めたが、落胆の度合いが酷く、私も落胆していた。「これではっきりしましたね。」私の知らぬ間に人が現れた。それは懐古に満ち、しかし、知らぬ分際であった。「く、玄田恂(くろだじゅん)か?あっははっ!失神しかけたぞ?蛸入道め…。」熊谷さんはその真っ白な分際を見抜き、指差した。玄田恂と言う奴は金髪の青目。透明か真っ白かどっちかと言う程に白く、達哉みたいに小さかった。「あっははっ!蛸入道所以の忽然さですからね。よく耐えました。神の所業。蛸入道の進化バージョンが僕です。真に存在の可能性が失くなった時に僕は解放されるんです。」玄田恂は顔を紅潮させ訴え掛けていた。剰え、タコさんウインナーを一摘み頂いていた。「うん…美味しいな。あっははっ!そうだ!宮浜さん。苫実様への献上品は決めましたか。」玄田恂は私の方を向き、真摯に問うて来た。「お、お前等…俺のタコさんウインナー…。」熊谷さんは地味に辛そうで、私達を信用したがってさえいるように見えていた。
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