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Ⅰ 郷紳の子弟
聖暦1570年代松、遥か海の彼方に未知の大陸〝新天地〟を発見したエルドラニア帝国は、この広大な未開の大地と海の植民地化を積極的に押し進め、世界最大の版図を誇る大帝国へと成長を遂げていた……。
だが、そうした新天地のエルドラニア人社会から弾き出された他国の移民達の中には、生きるために海賊となって交易船を襲う者も少なくはなく、また、エルドラニアに対して脅威を感じるアングラントやフランクルなどの近隣諸国は、私掠船(※公に海賊行為を認められた船)によってエルドラニアの海上輸送を妨害し、銀や砂糖などの新天地で産み出される莫大な富を奪うことで、経済的打撃を与えようと画策していたりもする。
これは、そんな私掠船の船長となり、〝村長〟の通り名で名を馳せた男の半生の物語である……。
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