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「よーし! 行きましょう! トリニティーガーへ!」
そんなわけで、ヘドリー・モンマスは新天地随一の海賊の島に腰を据えると、心も新たにますます海賊稼業に励むこととなった。
また、グランダナールで得た莫大な富を使い、島に土地を買って農場も開くと、昔取った杵柄でその運営も副業で始める。
労働力は、例のグランダナール襲撃時に解放された後、なんとなくついて来てしまった原住民のもと奴隷達である。
さらに彼らはヘドリーの船に乗り込むこともあり、一味の兵力増強にも一役買うこととなった。
「農場経営で金も入るし、船員の確保にも事欠かねえ……村長のヤツ、うまいことやりやがったな」
「ああ。私掠免状も持ってるしな。おそらく村長も次世代の一角を担う、有力船長の一人にそのうちなるだろうよ」
もともと郷紳の出身であることや海賊間の調停に長けていること、また、彼の農場が小さな村のようにも見えることから、いつしかトリニティーガーの海賊達は、ヘドリーのことを〝村長〟という愛称で呼ぶようになる……。
こうして、〝村長〟こと私掠船長ヘドリー・モンマスは、新天地でも一目置かれる、トリニティーガー島を統べる大海賊の一人へと成長してゆくのだった……。
そして、さらにこの十数年の後、彼は他の有力船長達同様、魔導書を専門に狙う風変わりな海賊〝禁書の秘鍵団〟と関わりを持ったことで、図らずも世界の趨勢を巡る大戦へとその活躍の場を広げることとなるのであるが……それはまた、別の、お話(森本◯オ調)。
(El Alcalde 〜村長〜 了)
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