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「ほう。君がいまや船長か。しばらく見ぬ間に立派になったねえ、ヘドリー君……だが、私掠免状はそうやすやすと発行できるものではないのだよ。国王陛下の沽券にも関わるからね。それなりに実績のある海賊船の船長でないと」
久々に対面したリッチー公からは、そう告げられてやんわりと却下されてしまう。
まあ、確かにそれはごもっともなご意見だ。一介の船乗りから船長にまで登り詰めたといえ、海賊船は小さなスクーナーだし、まだまだヘドリーは名もなき新参の海賊の一人にすぎないのである。
「所詮は賊徒の類なれども、ようやく国王陛下のお認めになった公式な海賊の地位が手に入ると思ったのに……ああ、早く私掠船の船長になりたいものだ……」
ヘドリーはひどく落胆し、ガッカリ項垂れながらプエルト・ルアルより帰還することとなったのであるが、そんな意気消沈した彼の耳に、海賊としてはなんとも魅力的な、とある情報がもたらされた……。
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