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「なー、悪かったよ。まさか小隊長が呼びにくるなんて思わなかったんだ」
ラックが猫なで声でレイズンに手を伸ばす。
「別に。怒ってないし」
結局あの後レイズンは演習には参加させて貰えず、遅刻の罰として端っこで草抜きをさせられた。だが草抜きのことよりも小隊長とのことでレイズンは頭がいっぱいだった。
ラックに中出し放置されたレイズンにおそらく同情してくれたのだと思うが、まさかあの鬼の小隊長が処理を手伝ってくれたなんて、今だに信じられない。
だがこんなことラックには言えない。レイズンは今日の出来事を絶対口にしないと固く誓った。
気楽な仲とはいえラックが嫌な顔するのは目に見えているし、小隊長だって部下の中出し処理を手伝ったなんて噂が流れたら、不名誉であるだろう。
(だけど、あの感触はしばらく忘れられないかもな)
小隊長の指の動きを思い出し、レイズンの尻が疼いた。彼が本気を出したらどんなにスゴイんだろうか。
だが、確か小隊長は奥さん一筋で、娼館にすら行かないという話だ。だから彼の本気を味わえるのは残念ながら彼の奥さんだけだ。
「なあレイズン。怒ってないならやろうぜ。昼もゆっくりできなかったしさ、まだヤリ足りないんだよ」
「はあ? お前、またやるのか? よくそんな体力あるな」
今日は午後草抜きだったレイズンとは違い、ラックはしっかり演習をこなしてきたはず。これが疲れマラというやつか?
「俺も演習には参加させて貰えなかったんだよ」
「は? そうなのか?」
罰を受けたのは自分だけで、ラックは演習に参加しているとばかり思っていたレイズンは驚いた。
「小隊長がパートナーを置いて一人で出てくるなどけしからんってさ。俺は最初っから最後まで、端の方で立ちっぱなしさ」
「……へえ、そんなこと言われるんだな」
これまで罰は遅刻した者のみに課せられていたが、今回はパートナーも同様に罰を与えたらしい。レイズンは一瞬小隊長が同情してくれたのかと思ったが、そんなはずはないと思い直した。客観的に考えて、度重なるレイズンの遅刻に、パートナーであるラックにも連帯責任として罰を与えたに過ぎないだろう。
それでもまあ、置いて行かれてあんなことになってしまったのはラックのせいでもある。まだ少しむかっ腹が立っていたレイズンは、ラックが自分と同じように罰を与えられたと聞いて内心「ざまあみろ」と溜飲を下げた。
そんなレイズンの気も知らないで、ラックは呑気に腰に太い腕を回そうとしながら、甘い言葉を囁く。
「今度はちゃんとお前をイカせてやるからさ。な、いいだろ?」
ラックは知らないが、レイズンは今日の昼間2回も抜いたのだ。もうスッカラカンで出る気がしないが……尻の奥は小隊長のせいで疼いてはいた。それにデカい図体をして甘えてくるラックが、レイズンにはかわいくて仕方がない。
「……しかたねーな」
たぶんまた遅漏だなんだ言われるだろうけどと思いながらも、尻の疼きをラックに慰めて貰おうと、レイズンはラックからの誘いの手を取った。
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