第1章 3

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 隣の席となると、全く関わらないということはさすがにないだろう。    ついに”タカハシサン”と関わることになるのか……と、期待なのか不安なのかよく分からない気持ちになった。    一方彼女は、隣にいる俺の存在なんて全然気にしていないようで、その後ろに座っているさっきも一緒にいた女子とこそこそ喋り、けらけら笑っていた。  どうやら友達同士のようだ。いいな、前後の席になれて。    全ては聞き取れなかったが「それで、カズシくんの鼻毛がさ」というワードだけ聞き取れた。一体、なんの話をしているのだろうか。      担任は教壇で話しながら、高橋達の方にちらちらと厳しい視線を送っていた。  しかし彼女はその視線に全く気付いていないようで、小声で何やら盛り上がっている。  新学期早々担任の爆弾が落ちるのではないかと、なぜか関係のない俺の方がヒヤヒヤした。 「美咲、先生めっちゃ睨んでる」    先に気付いたらしい後ろの方の女子が高橋に小声で言うと、やっと二人は会話を止めた。    ”こいつら、うるせぇ。”    初めて高橋(達)を至近距離にして、俺がまず最初に思ったことはそれだった。    こういう空気の読めないタイプの人間は、男女問わずあまり好きじゃない。    ……まあまだ始まったばかりだし。ここは大目に見てあげるとするか。  
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