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俺は現在、部活がとても楽しい。
小学生の頃からずっと続けているサッカーは、今の俺にとっての生きがいと言っても過言ではない。
自分で言うのもなんだか、それなりに上手い方だ。うちの高校のサッカー部はお世辞にも強いチームとは言えないけれど、だからこそ俺は一年生でありながら先輩達と一緒に試合に出させてもらうことができてて、それなりに活躍もしている。
部活仲間もみんな面白い奴ばかりだし、毎日サッカーに夢中な今の俺は、彼女というものを必要としていないのだ。
もちろんこれは決して負け惜しみとかではなく、本音だ。
「うちの部活のマネージャー、もっと可愛かったらいいのに。なんでこう全員揃いも揃ってブスばっかなんだよ。やる気出ねぇっつーの!」
机の上に座り、だるそうに頭を掻きながら大きめな声でそう言ったのは、部活仲間でありクラスメイトで、いつも一緒にいる牧野だ。
部活の朝練が終わってからホームルームが始まるまで、俺達はまだクラスメイトが少ない教室で他愛のない話をしていた。
その発言がマネージャー達に聞こえていないかヒヤヒヤしながらも、俺は牧野に同意する。
「いや、本当それな。間違いない。この間の試合負けたのだって、それが原因かもよ」
俺の言葉に、牧野が満族そうにけらけら笑う。
こんな感じで俺達はいつも、世界中の女子達を敵にまわすようなクズな会話ばかりをしている。
中学校あがりたての男子高校生なんて、大体こんなものではないだろうか。
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