第1章 1

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と、ここまで観察しておきながら、あまりじろじろ見ているのも気が引けてきて、俺は焦ったようにスマホを取り出し、適当に画面をいじった。  持て余した手でツイッターを開く。  画面をスクロールして、皆の相変わらずくだらないツイートを流し見しながら、牧野とその子が話している様子をさりげなくチラチラと見ていた。    どこのクラスの子なんだろう。なんで牧野と親しげなのだろう。  やがて数分経ってから、牧野が小走りで戻ってきた。なにやら興奮している様子だ。 「みた?今の!高橋さん!可愛いだろー!」  牧野が叫んだ。そんなに大きな声を出したら、本人であるあの子に聞こえないだろうか、と関係のない俺がヒヤヒヤする。  またさっきと同じように机の上に座った牧野はなぜかドヤ顔で、まるで自分の彼女を自慢しているみたいだった。  「誰?」  興味がない風に装いながら、俺はそっけなく聞いた。  「一組の子!最近仲良くなった!」  相変わらずドヤ顔で答える牧野に、「へぇー」とだけ返した。    これが、俺が高橋を初めて見た日。    
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