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   いつかの誰かによく似た、あのけらけらとした明るい笑い声が聞こえたら、思わずそっちを見てしまう。さらに後ろ姿がよく似ていたりしたら、少しだけその後を追いかけてしまう。  そしてやっぱり違う人だと気付いたら、変な期待をしてしまった自分がなんだか恥ずかしくなって、ため息を吐いてまた来た道を引き返す。  やけくそみたいに煙草に火を付ける。      そんなことを繰り返しているうちに、あっという間に数年が経ってしまった。  俺は今でも、あいつのことをーー
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