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十年前といえば、ちょうど女性の厄年の頃合いだ。
迷信だと思って信用してはいなかったけれど、やはりそう言った年回りというものがあるのかもしれない。
けれど、まだ彼女が何を謝りたいのかわからない。
私は更に続きを目で追った。
──これでは埒が明かないと思った私は、詳しい検査を受けることにしました。
その結果、私はASDという発達障害を抱えていることがわかりました。
それで私は、先生と学校に謝らなければならないと思ったのです。
本来ならば、私は公立の通常学級に通うことすら許されなかったかもしれない。
にもかかわらず、私立の学校に通ってしまった。
散々周りに迷惑をかけてしまった。
そう思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
先生、そのせつは本当にすみませんでした。
ごめんなさい。
許していただければ幸いです。
本当に、突然の手紙ですみませんでした。
最後になりますが、くれぐれもお体を大切になさってください。
かしこ……
私は読み終えてしばらく、声を発することも身じろぎすることもできなかった。
思い起こせば三十五年前、彼女は確かに口数は少なかったが、時折火が付いたように泣き叫び、癇癪を起こすことがあった。
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