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「ラッキースケベマスターに、私はなる!」
「アホか」
「そんなのになってどうするのよ」
にゃんたと福ちゃんのツッコミが冷たい。しかし私は挫けない!
「たとえ観覧車の中、ジェットコースターの中、あの子のパンツの中だって……必ず空ッチの股間をGETだぜっ!」
「何言ってんだか」
「てか、よこやん。こないだの遊園地で結局どうなったのよ?」
うぐっと言葉に詰まる。そう、私が空ッチに何度もラッキースケベに挑んでは玉砕してきたあの遊園地! まさかラストにあんな展開が待ってるなんて、私も夢にも思わなかったぜ。
「ひ……秘密、だ!」
「福田。一緒にジェットコースター乗らなかった時点で察してやれよ。どうせアレだ。チャンスをフイにしたってヤツ」
「よこやんってば……。ラッキースケベ狙う前に変な所で照れるの、どうにかしたら?」
「うううう。だ、だって……空ッチがカッコいいからいけない!」
とにかく好きなのだ。顔も好きだが中身はもっと好きだ。見つめられると素直におしゃべり出来ないのだ!
「だーかーらー、ラッキースケベを狙い撃ちしてマスターの称号を手に入れられるくらいまでに私はなるのっ! 空ッチの股間をブイブイ言わせるの!」
「「なんのこっちゃ」」
その時予鈴が鳴る。一年の時は同じクラスだった空ッチが二年で別クラスになったのはかなり寂しいが、空ッチは進学クラスなんだから仕方ない。それでもお昼は一緒に食べているから、それでも十分嬉しい。
朝のホームルームを聞き流しながら、私は「早く昼休みにならないかなぁ」なんて考えていた。
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