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「おっま、俺の昼休みを返せ!」
「なんでだ。空ッチに呼ばれたの、にゃんたじゃんか。この羨まけしからん男め」
「だあぁー! この能天気頭に、アイツの本性を見せてやりてえぇ! あれでいて江川は怖いんだぞ!」
「いっつも怒ってるにゃんたじゃあるまいし、あんなふわふわほわほわした空ッチが怖いとか有り得ん。どーせにゃんたが、いらん事したんでしょ。空ッチのミニ四駆壊したとか」
「邪よこやんって呼ばれるお前と一緒にすんじゃねー! あとあのミニ四駆は俺のだ!」
「そんなヨコシマよこやんの本日の下着はタテジマです」
「聞けよ‼︎ しかもその情報、クッッッッソどうでもいいわ‼︎」
サムズアップで自分を指しながらキランとイイ笑顔で言ったのに、にゃんたはプンスコプンプン丸に言い捨ててから、自分の席に着いた。仕方なく私も席に座る。
空ッチが怖い、ねぇ。まぁ遊園地に行った時、観覧車の中での空ッチの色気はヤバかったケド。アレはマジ超絶ヤバかった。気絶するほど悩ましいってあんな感じかもしれない。さすが空ッチ……でも怖いって感じじゃないかな。にゃんたは何言ってんだか。
頬杖ついて窓から空を仰げば、ふわんとした雲がほわんと浮かんでいた。まさに「空ッチ」って感じの平和さに、どう手を伸ばせばアレに触れられるんだろうと真剣に考えていた。
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