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そして放課後、私は福ちゃんに宣言していた。
「そういうワケで考えました! ラッキー◯◯マスターへの道!」
「良かった。よこやんにも恥じらいがあって。教室で叫んだらどうしようかと思ってたわ」
「お望みとあらばいつか世界の中心で叫んでやんよ?」
「全力で遠慮しとく」
「って、そんなことは今いいの。私は気付いたの。マスターへの道……その真髄はズバリ! 経験を積むことだと‼︎」
「……。ツッコミたいことはあるけど、とりあえずは最後まで話を聞くわ」
「ありがとう、福ちゃん。で、考えたんだけど、いきなりチャンピオンに挑んだってコテンパンにされるだけじゃない?……ならば、まずはジムリーダーから挑むべきっしょ! って!」
「? チャンピオンとジムリーダーって誰よ?」
「この場合チャンピオンは空ッチで、ジムリーダーはにゃんたかなっ‼︎」
「…………にゃんた………」
「ってコトで、私は次の行動の指標を決めました! そう、いま私に必要なのは一夏の経験値‼︎ ファーストターゲット・にゃんたの股間からGETだぜっ!」
「あっ、ちょっとコラ! 待ちなさい、よこやん! それは──!」
言うなり私は、それはもう鉄砲玉のごとく教室から飛び出していった。背後で制止する福ちゃんの声なんて全然聞こえないほどの勢いで。
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