バカになりたい

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"今日も上司と飲み会だわ 先寝ていいよ。" 21時をちょうど回った頃。 彼からやっと連絡が来た。 そんな気はしていた。 …まあ スマホを片手に2時間待ち続けた私が言うのも滑稽ではあるが。 "分かった! あんまり飲みすぎないでね!" 1時間前には、とっくに準備していた文章を打ち返す。 … 安定の 既読無視。 私は椅子から立ち上がり、用意していた夕食にラップを… 「ラップが勿体無い、か。」 悪く無い出来だったコロッケは 無慈悲にもゴミ袋に着地する。 サラダは生ゴミへ。 豚汁は流しへ。 大根や蒟蒻が シンクに茶色い液体を押し返す。 別に構わなかった。 だって どうせ掃除するのも 私なんだから。
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