勘違い名探偵

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勘違い名探偵

「運転手さん、起きて!仕事なんだから!」 「は、はぁ…」 なんか、変なオジサンにミラーごしに寝てると思われたらしく降りるまで色々と講釈を賜った。 起きてるのにどうやって更に起きれば良いんだか、、、覚醒しろって事か? 「今まで言われた事ない?あぁ、ないか!僕みたいにミラー見ていちいち確認する人いないものね!」 つまり、自分は鋭いから気が付いたけど、普通の人は気付かないと言いたいらしい。 いや、そもそも、ウトウトなどしてないのでこの勘違い名探偵に同意する事は出来なかったが一応はいはい言っておこう。 「僕も年上の人にこんなこと言いたくないけどね!事故を起こされたら大変だから!」 いやいや、なんで年齢も聞いてないのに年上と決めつける?あんたも相当なオジサンだろう? 話は変わるが、何故だかオジサンにオジサンと言われると無性に腹が立つから不思議だ。 「しっかり運転してくださいね!」 「は、はぃ」 いや、今までのどの辺が危なかったのか教えて貰いたいものだ。 たしかに「七条橋を渡ってください」 とか言われた時に心の中で 「わかってるよ、そんなこと」 という思いがあって少し返事が遅れたかも知れないが、それを眠たいからだと思われた様で迷探偵よろしく講釈が始まったので少しばかりイヤな気分になった。 勘違い名探偵は(はた)から見ると滑稽だねぇ、という話。
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