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「お金持ちになりたいな…」
なんとはなしにつぶやいた私の肩に手が置かれたので、振り向くと青を基調とした服装の友人の姿があった。
「うふふふふ、仕方ないなー、ノーブラ君は。ぱらぱぱっぱぱー!有価証券!」
友人は何故か胸の谷間から証券を取り出すと、私の目の前でひらひらとちらつかせる。正直ちょっとうざったい。
「何で? その前にあたしはノーブラじゃないし! ちゃんと着けてるし! あと、先代の二足歩行猫型ロボットみたいな口調! あと、それ個人向け国債買ったの?」
「ごちゃごちゃうるさいなー、ノーブラ君は」
「だから、着けてるからね! そもそもお前、何で胸の谷間からそれ出した?」
「夢に溢れた四次元ポケットと言って欲しいわね」
「どう見てもポケットじゃないだろ? 単に乳圧で挟んでただけじゃんか。しかも、折れてるけど?」
「後で伸ばすからよいの!」
「──まあ、良いわ。で、私がお金持ちになりたいのと、それを出した関係性は? くれるの?」
「あげないわよ?」
「何で出した?」
「見せびらかしてみたかった、後悔はしていない」
「……」
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