推しに会うために透明人間になりたい!

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 ぼくには、推しているアイドルがいる。名前は「かれん」。  最近流行りのKPOPアイドルみたいに可愛くてスタイルが良くて、関西訛りの可愛い女の子。年齢はぼくより少しだけ上。  デビューの日の歌番組で、キラキラ輝いている彼女に一目惚れ。以来、ぼくはずっとかれんちゃんのファンを続けている。 「昨日の歌バン見た?」 「見た〜!」  耳がピクッと反応する。昨日のかれんちゃんも可愛かったなぁ。ああ、ぼくもその話入りたいなぁ。  それでも女子グループに入る勇気なんてない。そもそもかれんちゃんのファンだなんてぜったい言えない。  だってぼくのキャラはサッカーができるそれなりにかっこいい男子とぎりぎり話せる、なんてことのない普通グループの男子だ。  それがいきなり女子グループの近くになんていってみろ、「キモーい!」と言われてはいさよなら、悪ければ次の日から社会的に抹消される。  そんなことを思いながら、掃除を続ける。あ、言い忘れてたけど今は給食の後の掃除の時間だ。早く終われば昼休みが長くなる。だけど女子たちはキャピキャピとしているだけで机を運んでくれないからぼくが仕方なく運んでいる。
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