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気づくと、もう二人とも身体中が泥だらけ。
顔も、髪の毛も、服も、靴も、全部。
このままだとお母さんに怒られると思ったヨータは、少しでも泥を落とすために、服を脱いで水道の水でばしゃばしゃと洗う。
髪の毛についた泥を落とすために、水道に頭を突っ込むと、ひんやり冷たい水がヨータの頭を覆った。
「おーい、こっちにきて一緒に水遊びしようよー。冷たくて気持ちいいよー」
砂で出来たヨータの家を、ぼんやりと眺めていた男の子に声をかける。
いまいくよー、と男の子は答えて、こっちに向かってくると、ヨータと同じように泥のついた服を脱ぎ始める。
やっぱり、二人の身体は同じ。
か細い肩周りも、小さい頃に出来たらしい脇腹の傷もしっかりとお互いに刻まれている。
しかしただ一つ、お互いの身体になかったものを見つける。
それは男の子の背中の腰の上にある、小さく書かれた文字。
「……4…671?」
ヨータに分かったのは数字だけで、その他の文字は読むことはできない。
「ボクの背中になにかついてる?」
「数字みたいのが書いてあるんだけどよくわかんないなぁ」
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