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「でもやっぱりヨータの家はほんとにすごいね! 家の中は大きいし、庭にはバスケットのゴールまである。まるで、夢みたいだったよ」
ヨータは自分の家の暮らしに慣れていたので、少し家が大きいのも庭にバスケットのゴールがあるのも当たり前だと思ってた。
でも、男の子があまりにも興奮した様子で話すもんだから、こっちなんだが嬉しくなってくる。
男の子はそれからぼくの家のすごかったところを話し続けた。テレビがたくさんあるとか、ゲーム機があるとか、おいしそうな食べ物があったとか。
ぼくの家ってそんなにすごかったんだなぁ。
「そろそろ戻った方がいいよね。ボク、なにもいわずに家から飛び出てきちゃったからさ」
確かにそれはまずい。
ヨータは男の子に手を振ると、駆け足で家に帰っていく。
男の子はヨータが走り去っていくのを、ぼんやりと眺めてた。
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