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夜ご飯の時、お父さんが、弟が欲しいのかい?と訊いてきた。
あの男の子が言ったのかな? とヨータは思う。
確かにあの男の子みたいな子と兄弟になれたら、毎日がどれだけ楽しくなるのだろう。
「欲しい!」とヨータは言う。
それを聞いたお父さんはぼくの頭をくしゃくしゃ撫でてから、正面に座るお母さんに向かって話しかける。
ほら、ヨータもこう言ってるし。申し込んで正解だったみたいだ。
うーん、そうねぇ。とお母さんは言う。
隣の家の松下さんも申し込んだらしい。ほら、身体の状態がきみと同じだからさ。
まあ、兄弟がいないっていうのもちょっと寂しいことではあるもんね。
きっとヨータも気に入ってくれるさ。なんせ、自分によく似た弟が出来るんだからさ。
「ぼくに弟ができるの!?」会話の切れ端を聞いていたヨータは驚いた様子で言う。
「そうだぞぉ。これから弟ができるかもしれないんだ」とお父さんはにっこり笑いながら言う。
「そのときは、ヨータに名前をつけて貰おうかしらねぇ」
ヨータはそれを聞いて、目を輝かせる。
もしかしたら、新しくできる弟っていうのは、あの子かもしれない。
だって、あんなにも似てるんだから。
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