肉うどんの拘り

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 それから何ヶ月かが過ぎた。  俺は相変わらずカウンセラーのところへ通っている。  カウンセラーが言うところの、肉うどんに関する性癖については、未だ改善の余地を見ない。  むしろ、自覚して以来、強まったようにすら感じる。  この間など、とうとうナンパというものを人生で初めてやってしまった。  うどん屋行かない、で引っかかる女の子がいなかったことは幸いだった。もしも誰かがついてきてくれていたら、今頃事件に発展していたかもしれない。  このままではまずいことになる。そう思った俺は、自分なりの対策を講じることにしてみた。ほとんどは失敗に終わったが、一つだけ効果のありそうなことがあった。  金髪のかつらをつけ、鏡の前で肉うどんを食べるのだ。  自分の思い描く理想の食べ方を鏡の中の自分が見せてくれる。髪の長さが違うだけでも、随分印象が変わるものだ。  今度は化粧などしてみようか。それに、ドレスなんて来てみるのはどうだろう。  そんなことを考えながら、白いもちもちした麺をツルルッと吸い上げた。
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