肉うどんの拘り

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 どうして他の女は彼女の様に肉うどんを食べられないのだろう。  例えば今日だ。  今日まで付き合っていた彼女は、葉子と言った。  まあ、名前はどうでも良い。  彼女はとても素敵な子だった。  白くてふっくらとした、肉付きの良い子だ。  笑顔も可愛らしい。  人当たりも良いし、明るいし、気遣いもできる。  一緒にいたい。  そう思ったからこそ、肉うどんを食べて貰う事にしたのだ。  女ならだれでも良いってわけじゃない。  そんな無節操な男だと思われるのは心外ってものだ。    俺は彼女をうどん屋に連れて行き、肉うどんを食べてくれと頼んだ。  その時点で葉子は相当怪訝な顔をしていた。  だが、承諾してくれた。  そして、運ばれてきた肉うどんを彼女は食べてくれた。    ズルズルと麺をすすり、ヂュルヂュルと汁を飲み、パクパクと肉を食い、そして最後におしぼりで口元を拭きながらふぅと息を吐いた。
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