虹を見る

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 虹は、光が空気中の粒子によって波長に分かれたものが、目に届いて七色に見えるのだそうだ。  図書館で、理科の図鑑を見て知った。  光が屈折するイラストも描いてある。人の目に向かって、3本の矢印が進んでいて、1本は目にまっすぐ届く。もう1本は目の下のほう、残りの1本は目の上のほうに向かっている。角度によって、見えたり見えなかったりするという解説がついていた。  俺はちょっと愕然とした。  隣にいた双子の弟の緑郎(ろくろう)もそう感じたらしい。 「じゃあ、俺が見た虹と、霖太(りんた)が見た虹は違うってこと?」  ポツリと言った。
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