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出会い
瑠璃との出会いは、僕が小学校五年生。
瑠璃、高校一年生の時だ。
親戚の集まりだからと、Nホテルの一室で
西条瑠璃と、その父親に出会った。
瑠璃は、いかにもお茶目な感じがした。
僕は、ぱっちりした瑠璃の目に、惹き付けられた。きらきら光る漆黒の髪にも。
瑠璃の父親は、いかにも東京育ちの垢抜けた
男性だった。
その頃の僕の身長は、175センチ。
瑠璃の父親は、僕と同じ位の高さだ。長い脚が、目立っていた。
なぜそこで、瑠璃親子と会ったのかは、その時は、分からなかった。
遠い親戚に会うから。と、両親は言っただけだった。
いかにも、生地も仕立てもいいスーツを、瑠璃の父親は、粋に着こなしていた。
僕の父親とは違っていた。
僕の母は [ お懐かしい。]そう言って泣いていた。
なにかがある。なにか得体の知れない訳があると、僕は思った。
そう思ったが、瑠璃の存在に気を取られて
深くは考えられなかった。
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