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[ あれ? 双子? そっくりね! どちらが、お兄さん? ]
[ つむじが、二つあるのが、兄です。]
母がそう言うと、瑠璃は僕と弟の所に来た。
[ あぁ、本当だ! 二つある! ]
そう言って、僕のつむじを触った。
[ なんだよ! ]
瑠璃は、花のような香りを撒き散らした。
僕は、どきどきした。近くで見る瑠璃は、綺麗すぎた。白い肌が、笑うとほんのり、ピンク色に染まった。
食事の時間になった。シェフだかなんだか、分からないが、白い帽子を被った男の人と
ウエイターが来た。
ステーキを、切り分けている。スープもサラダもあった。
ステーキなんて、僕たちは食べたことがなかった。
スープを飲み、ステーキを食べた。
瑠璃の父親も、瑠璃も、フォークとナイフを
上手に扱っていた。
田舎の教師の息子の僕たちは、慌てて食べた。
瑠璃は、紅茶が好きらしい。デザートを食べた後、瑠璃は紅茶を、何杯もお代わりしている。
══ 育ちが違うんだ ══
僕は、がっかりした。 到底、瑠璃とは仲良く出来ない。そう思ったからだ。
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