出会い

43/45
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/389ページ
F先生の奥さまも、来て下さった。 [ お姉ちゃん。] [ 瑠璃ちゃん、高岡君を知っているの? ] [ ええ。知っているの。] [ May、うつ伏せで過ごすのね。寝ている時、大丈夫? 自然に仰向けにならない? ] [ 僕もそれが、心配なんだ。] 瑠璃は、僕の火傷のところに手をおいて、祈った。 キリストの名によって。 すると、ヒリヒリとした痛みが、すっと消えた。 [ 瑠璃ちゃん、ヒリヒリ痛いのが消えたよ。イエス様は、本当に神様なんだね。] [ そうよ。分かったでしょう? ] 瑠璃は、井上靖先生の書かれた “ 夏草冬濤 ” を、僕に渡した。 [ この本、分厚いけれど、読み出すとやめられないの。魅力的な人たちが出てくるの。 読んでみてね。] 瑠璃は、本を渡すと姉のいる喫茶室に行った。
/389ページ

最初のコメントを投稿しよう!