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F先生の奥さまも、来て下さった。
[ お姉ちゃん。]
[ 瑠璃ちゃん、高岡君を知っているの? ]
[ ええ。知っているの。]
[ May、うつ伏せで過ごすのね。寝ている時、大丈夫? 自然に仰向けにならない? ]
[ 僕もそれが、心配なんだ。]
瑠璃は、僕の火傷のところに手をおいて、祈った。
キリストの名によって。
すると、ヒリヒリとした痛みが、すっと消えた。
[ 瑠璃ちゃん、ヒリヒリ痛いのが消えたよ。イエス様は、本当に神様なんだね。]
[ そうよ。分かったでしょう? ]
瑠璃は、井上靖先生の書かれた
“ 夏草冬濤 ” を、僕に渡した。
[ この本、分厚いけれど、読み出すとやめられないの。魅力的な人たちが出てくるの。
読んでみてね。]
瑠璃は、本を渡すと姉のいる喫茶室に行った。
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