43人が本棚に入れています
本棚に追加
ところが、四才の妹が
[ お姉ちゃん、おしっこ出るの。]
そう言うと、[ はい。おしっこね。]
瑠璃は、僕の妹を抱き上げて、化粧室に行った。
優しいな、、僕は、瑠璃に、二度惚れした。
そして [ お兄ちゃん、公園に行こう。]
瑠璃は、僕の腕を掴んだ。
[ 行って来なさい。] 父は、笑って言った。
[ お兄ちゃん、背が高い! ]
瑠璃は、僕と手をつないだ。楽しそうに走った。
僕も、楽しかったんだ。あの時。
あの日は、夏休みだった。八月二十日。
僕は、この日を忘れない。いや、忘れられない。
瑠璃と二人で、ブランコに乗った。
途中で、僕は、鉄棒でくるくると回って、さっと立った。
[ お兄ちゃん、凄い! ]
瑠璃は、拍手をしてくれた。
[ 大したことないよ。]
僕は、頭をかいた。照れくさかった。
僕がブランコに乗ると、瑠璃は、僕の膝の上に乗った。
どきどきが止まらない。僕は戸惑った。
瑠璃は、僕の胸に寄り添った。
これは、なんと云うことだろう。
僕の心臓は、はち切れそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!