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「 喪失感? 僕もあったよ。あったなんてもんじゃないよ。でも、瑠璃ちゃんに出会ってから、消えさったよ。
高岡さんが、天に召されたからだね。
瑠璃ちゃんは、優しいから 」
「 優しいのは、隆一さんよ。私の腕を掴んで、Mayの手を握るようにしてくれたもの。
隆一さんは、人間としても優れているのね。
私は、幸せね 」
ソファーの隆一の上で眠った。
隆一は、私の気持ちを分かって、慰めて
くれた。
“ 誰かを 喜ばせることを 考えなさい
そうすれば、憂鬱など消えさって
しまう ”
アドラーの言葉が気になった。
夜になって、隆一に愛された。私も、隆一を愛し返した。
「 生きているって、こういうことね 」
「 そうだよ。瑠璃ちゃん、愛しているよ 」
夜のしじまの中で、Mayを忘れるほど、隆一は、私を愛してくれた。
幸せが、体中を巡った。
なんども、なんども巡った。
そうして、私は深い眠りの中に溶け込んでいった。
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