43人が本棚に入れています
本棚に追加
結婚式は、厳かにというより、なぜか楽しい雰囲気だった。
教会の方々は、知っている。
隆一の両親が、流行病で亡くなったことを。
涙を拭いている方々もいらした。
誓いの言葉。
隆一は、はっきりと、大きな声で
「 誓います 」 と、言った。
私も、隆一と同じように
「 誓います 」 と、はっきりと言った。
隆一は、私のベールを上げて、誓いのキスをした。
隆一も、私も、泣いた。
これから、ふたりで、色々なことを、幸せに変えて生きていくのだ。
教会の方々は、百人近くいらっしゃる。
由紀ちゃんと、藤原さんには、電話で伝えただけだった。
再婚ではない。本当の結婚式だ。
藤原さんと、由紀ちゃんに、結婚式に来てほしいとは、思わなかった。
それでも、ふたりは、来てくださった。
ブーケトスをすると、高校生の男の子が
受けとった。みんなで笑った。
教会の方々は、私のお腹に赤ちゃんがいる
ことを、ご存知だった。
百人ちかくの方々が、私たちに花を撒いてくださった。
「 ありがとうございます 」
そう言って、ドレスのまま、車に乗って
家に帰った。幸せだった。心から、幸せだった。
「 あんた、これからは、ほんまに幸せになるえ。うち、そうとしか思えへん 」
「 瑠璃ちゃん、これからね。ご主人をいたわってね。男の人は、外で色々なことを頑張っているのよ 」
藤原さんと、由紀ちゃんは、そう言ってくれた。
最初のコメントを投稿しよう!