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高校二年生
僕は、高校二年生になった。クラス替えがあったけれど、岡本君とまた同じクラスだ。
僕の成績は、学年で一番。岡本君は、二番だ。岡本君は、慶応の医学部を目指している。優しくて機転の効くいい友だちだ。
「 六法全書は、大変だよね。凄いなぁ 」
「 どんな問題が出るか、分からないから。岡本君も凄いよね。医学部だもの 」
僕の心の中に、炎がある。それは瑠璃を想う炎だ。この炎が、僕を成功させるとは、思っても見なかった。
担任の先生は、F先生だ。一年生の時と変わらない。
「 F先生は、僕のフィアンセのお姉さんのご主人だよ 」
「 え! 知らなかったよ。瑠璃さんのお姉さんのご主人? 」
「 父親違いの、お姉さんだけれどね。言わなかったかな? 」
「 初耳だよ。きっと綺麗な人だろうな 」
「 あぁ。綺麗な人だよ。瑠璃とは似ていないけれど 」
僕は、早く大学に行きたかった。瑠璃を待たせている。瑠璃は、待っていてくれるだろうか? 他の人に取られてしまうのは嫌だ。
〖 瑠璃ちゃん、待っていてくれるよね 〗
僕は、瑠璃と結ばれるようにと、いつも祈った。
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