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「先生…」
私が書斎でキーボードを叩いていると、上杉さんが入って来る。
「あ、はい…」
私は顔を上げて、原稿を持った上杉さんを見た。
「六ページの表現なんですけど、少し回りくどく無いですか。此処は歯切れが良い表現で良いと思いますけど…」
私は上杉さんが見ている個所までスクロールして同じ原稿を見た。
「そうですね…。では相原の言葉を…」
そう言いながら原稿を目で追っていると、上杉さんは私の傍に立ち、同じ様にモニターを覗き込む。
「そうです、そこですね…」
上杉さんの吐息が私の耳元に掛かる。
私は少し身を引いて、身を乗り出してモニターを見る。
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