ホワイトムスクの夜明け前

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私の向かいに座ると、上杉さんは微笑み、 「お口に合うかどうかわかりませんが…」 と言い手を合わせた。 私もそれを見て、手を合わせる。 「戴きます…」 程よい甘さのひじき。 塩鮭もなかなか良い。 そして茄子と薄揚げの味噌汁。 甘い卵焼きも最高だった。 「何か贅沢な朝飯ですね…」 私は上杉さんが漬けた浅漬けを食べながら言った。 「結婚したら、こんな朝飯が食べれるんですね…」 私はそう言って、しまったと思った。 上杉さんは私を見て微笑んでいる。 「そうとも限りませんよ…。世の奥様たちは、旦那様が出勤してから起きる方も多くいると言いますし…」 私は箸を止めて、上杉さんを見た。
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