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「まあ……、一時はそう思ってた時もあったぜ。でも、やっぱ、巨大化したときの漲るようなパワーや想像し得なほどのスピード……。再び、手に入れたい、変身したいって……。段々そういう思いが強くなっていったんだ。
でも、一応何かあった時のために、例の竹の花は手をつけずにそのままにしておいたんだ。そしたら……、あの事件が起こったんだ。」
ゴンタベアが、今までの流暢な会話から一変、明らかに口が重くなっていった。何か喉に支えたかのように、一言一言絞り出すように話し続けようとするゴンタベア。
今まで見たこともないようなゴンタベアの様子に、戸惑い口籠るブー太郎。
一時の静寂が、二人の合間を埋めようとする。
だが、ゴンタベアが口にしたその言葉に、ブー太郎は暫く固まってしまった。
次の言葉も出てこなかった。
ゴンタベアは、こう言った。
「俺たちが暮らしてたあの巨大動物園、ベンチャーワールドで起きたんだよ。
パンダ惨殺事件がな。」
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