T1.休日の双子ちゃん

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 華金、飲める日、週末への入口。人によって呼び方は様々だけど木金休みの自分には関係ない。 「たかみん明日何時に出勤ー?」  右手に菜箸を持ったまま、ユキが小走りで駆けてきた。ベランダの入口に二人分の衣類が積まれているので傍まで行ってあげられない。仕方ないのでベランダでタオルを伸ばしながら「うーん」と時間を逆算する。 「9時には出るよ」 「わかった!」  ぱたぱたと効果音が付きそうな走り方でキッチンへ入っていく。ベランダからリビングは見えるけど、壁が邪魔でキッチンまではよく見えない。こんな役割分担ならキッチンの見えるワンルームにすれば良かったと端から見え隠れするユキの後ろ姿にため息をつく。  とまあ文句があるのはそのくらいで。賃貸とはいえマンションの4階、エレベーター付き。アパートより賃料は高くても人目を気にせず外干しできるのがありがたい。今日は空も青くて、春と夏の混ざった爽やかな空気だ。バスタオル、白いパーカー……あ、ユキ、またネットに入れないでTシャツ出したな。 「ねえねえ!」  キッチンから顔を出したユキの声がリビングを超えてベランダまでとんできた。 「んー?」 「お昼カルボナーラでどう?」 「いいね」  二つ返事で頷く。あ、Tシャツのこと言うの忘れてた。まあいいか。「へへ、やったあ」と満足そうにキッチンへ戻ったユキは楽しそうだ。 「あー!」 「えっ、なに」
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